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梅しごと

 6月に、祝日は一日もない。梅雨のはじまるこの時期、まだ週休二日制が始まる前のころは日曜日はまだ先かと気が遠くなるようだった。まぁ、始まってからも木曜日になる頃にはエネルギーが枯渇していたのだけれど。小学校に入学し、一年生が修了して二年生になった時、またさらに同じサイクルがあって、これがあと5年、いやもっと続くのかと思うと恐ろしく悲しくなった。一年生が終わったら、兄たちに追いつけると思っていたのに、そんな期待も砕かれてしまった。今考えてみれば、自分で思っている以上に学校生活に適応しようとエネルギーを使っていたのだと思う。全てが初めての体験なのだから、一日が一生ののように感じていてもおかしくない。昼寝が大嫌いで、眠ったら終わりだと思っていた幼少期もあったぐらいだから、一生懸命生きてきたと思う。 さて、6月。一年の折り返しと、誕生日がやってくることもありなんとなくソワソワしがちなこの季節。東京へ撮影にいった年もあったけれど、今年はどうしようかなと思いながら、例年より落ち着いた日々を送れていたので結局は自宅で過ごすこととなった。母が何か食べたいものはないかと聞いてくれたので、いつも通りのごはんと和菓子が食べたいとリクエスト。近所の和菓子屋さんで調達してきてくれた和菓子を家族でいただいた。 そうこうしていると、ご近所からお裾分けが。段ボールいっぱいに送ってきたからと、農薬不使用の梅を分けていただいたのだ。スーパーでは小梅1kgあたり1300円・大梅1600円ほどと、いいお値段だったため大梅には手が出ず、小梅3kgに甘んじていた矢先、こんなことがあってもいいのかしらと最初は躊躇(ためら)ったものの、素直に喜びを表現した母の姿を見て、私も一緒に喜びを伝えると、喜んでくれたからといってあとから追加でもう一袋いただいてしまった。青い梅と程よく熟れた梅。私はフリー、家族は二人とも出かける予定だったので、私が引き受けることになった。竹串で一つひとつヘタを取り、いそいそと次の工程へ。いつもは母がする作業。部屋中に広がる梅の香りに包まれて、塩を測ったり、焼酎を調達してきたりと、ちょこまかと体も使いつつ、無事梅干しを漬け終えた。これまでの人生で一番穏やかな一日だったように思う。 今は梅酢が上がってくるのを時折見ながら毎日を過ごしている。晴れの日が三日続く日に天日干しするということだ。...

一人旅縁 - 厳島

   晩春の春の厳島(宮島)へ日帰りで行ってまいりました。  桟橋から徒歩で散策、静かな小径を通りつつ、にぎやかな商店街へと出たあとは大聖院へ。少し戻りつつ自販機にて飲料と栄養食を調達し、紅葉谷ルートへと続く道を通り弥山山頂での夕景を撮影しました。帰りは、大聖院ルートから下山し家路へ。ほとんど手持ちで撮影を行いましたが、弥山山頂での撮影は一部三脚を使用しています。穏やかな瀬戸内海を満喫させていただきました。  よくよく考えてみれば、宮島を訪れたのはざっと数えて10年ぶりくらいではないかなと思います。その間に宮島口の路面電車の駅からフェリー乗り場への動線が整理され様子がガラリと変わり、建物も自然と融合するようなデザインに変わっていました。宮島に並ぶお店の様子もすっかり心機一転といった様子。観光客も、カップルよりも家族連れが多く、以前はよく見かけた一人旅でセルフィー棒を持っている方達は少ないように感じました。インバウンドの方が多く集まるエリアのお店は多言語表示があり、一歩入った昔ながらの町屋通りは景観がそのままで風情があり、「ひっそりとした佇まい」を味わえる人の流れを上手に作り出している印象でした。  地元の方はどのように日常を送っておられるのかなとも思いましたが、商店街の十字路を通る軽トラを運転する地元の方のお顔を拝見すると落ち着いた面持ちで、「通りますよ〜」と小声でおっしゃりながらソロソロと通行されていて、程よい交流と距離間が保てているのかなぁと想像しました。それぞれが思い思いの時間を過ごせる場所。昼下がりだったこともあるからか週末にしてはそこまで人も多くなく、穏やかな時間となりました。    大聖院を参拝したあと、弥山山頂へ。穏やかな空と海を眺め、沈む夕日も。山並みに沈む太陽が完全に沈み切る瞬間をじっくりと眺めたのは久しぶりだったように思います。「ぽちょん」と音がしそうな沈み方で、なんだか可愛らしかったです。その光景に居合わせたインバウンドの方と笑顔を交わし、マジックアワーの空と海をもう一度眺めたのち、下山を決めました。実のところ星空を眺めたくて登ったのですが、思ったより肌寒く、カロリーも底をつき、充電器を持っていたのに、途中でカメラを充電する頭も働かないような感じだったので、疲れ果てる前に降参。準備不足でした。「恐怖心」と「迷い」いうのはかなりのエネルギ...

玄関のパンジーをスマホとFUJIFILM GFX50S II + フジノンレンズ35-70mmF4.5-5.6 WRで撮影

  先日、文字通り「両手に花」を携えて帰ってきた母の片手分のパンジーが玄関に生けてありました。なんとなくスマホで撮影したのち、GFX50S IIでも撮影してみましたので共有させていただきます。 玄関のすりガラスから入ってくる光と蛍光灯の灯りで撮影しました。 moto g24で撮影  まずはスマホで撮影した一枚から。moto g24の自動撮影は色も鮮やかに正確だなぁという印象。HDR撮影をONにしていることもあり、くっきりハッキリした感じですね。近くまで寄れて光量が少なくても手持ちで撮影できるので、スマホってやっぱり便利だなぁと感じました。なんとなく「平べったい」感じは否めないなとは思いますが、みる人によって印象は変わるのでしょうか。  それでは早速、 FUJIFILM GFX50S II で撮影した一枚をお見せしたいと思います。レンズは、標準レンズの フジノンレンズ35-70mmF4.5-5.6 WR を使用しています。普段はSNS投稿用にJPG+RAWで撮影していますが、今回からRAWのみで撮影をすることにしました。カラープロファイル・色温度の変更やシャドウ・ブラックの調整など、編集前と編集後をみていただきます。 編集前    Classic Chromeだと渋い色味でコントラストが強調されて落ち着いた色調になり葉の色や紫の花びらが沈んでいくような印象を受けます。花が主役の一枚ですが、花が置いてある板と焼き物の茶色の方が色の印象が強く、パンジー全体(花・葉・茎)に視線が留まりにくいように思いました。この日の被写体から受け取った印象とは一致していなかったようです。以上を踏まえて Capture One にてデジタル現像した一枚がこちら。 編集後  カメラとレンズが変われば自ずと構図も変わり、こちらは三脚を使用して撮影しています。手持ちでもノイズを抑えて撮影できる機材ではありますが、焦点距離が浅くなるので今回はしっかり固定してISO50, F9, 5Sあたりで2秒タイマーをONにしてRAW撮影しました。色温度を5120kから4800kくらいに下げ、撮影時に設定したカラープロファイルは、クラシッククロームからコントラスを抑えたCINEMAに変更。シャドウとブラックも少し上げて微調整しています。一見ぼんやりとした印象にはなりますが、その時の空気感など、時間をかけて...

ハクモクレン

昨年の剪定で高さを揃えたこともあり、今シーズンは一気に花咲きました。 空を仰ぐ

一人旅縁 - 朝の光と東京観光

 今回の東京は、 el tempo の定期公演と散策が目的。夕方に到着し、ライブ会場の SPACE ODD の隣にある Cafe Havana Tokyo にてカールスバーグと3種盛りタコスで小腹をゆるりと満たし、地下にあるライブ会場へと向かいました。地下にあるこの空間の幅は狭いが奥行きがあり天井は高く、壁は煉瓦造りとなっています。音の響きが有機的で面白く、観客に向かう音、上にのぼる音、四方八方に放たれた音が地面と壁を伝いふたたび空中で一つになっておりてくるような印象を受けました。音の響きも柔らかく、 馬力のある重低音まで包み込んでしまうようなところがあるようなところです。以前より照明の数が増えたのかなと思ったのですが、森に差し込む光の集まりのような光量で絶妙でした。お隣にいらっしゃったお客さんと「推し」の話をさせていただいた中で、推しのどこが好き?という話になり私は即答できなかったのですが、声とか人柄とか、センスとかかなぁとも思ったのですが、たぶん単純に、存在そのものが好きなのだなぁというところで落ち着きました。    ライブ終了後は恵比寿から山手線で浅草へ。今回は、 Hotel + Hostel という宿に宿泊。金曜の宿としてはお手頃価格で、駅からは徒歩5分ほど、浅草小学校のすぐ近くということで、安全面も大丈夫だろうということでこちらにしました。大浴場もあり、備え付けのシャンプー・リンス・ボディソープがあり、パジャマとスリッパは150円でレンタルしました。ドミトリーは奥に長細く空間としてはやや狭いと思いましたが、工夫を凝らした木造りのおかげで、さほどの圧迫を感じることもなく、身体も十分休まりました。交流を楽しむところという雰囲気が大切にされていて、スタッフの方からも温かみのある印象を受けました。  翌朝は浅草を散策。隅田川のほとりをゆっくり歩き、ランニングや散歩をする人や撮影をする人、水鳥の鳴き声、電車がゴトンゴトンとゆっくり橋を渡ってゆく様子、水面に揺れる街と空の光をのんびり堪能させていただきました。宿泊先も街中も国際色豊かで、新鮮でした。浅草寺の傍で出会った老舗のお団子屋さんには、素焼きせんべいが並べてあり、これにしようかなぁと見ながら声をかけると、「おせんべい?」と店員さんが答えてくれて、2枚100円のおせんべいを店の前のベンチに座っていただ来ました。なん...

Sunset Sky

 GFX50S II + GF35-70F4.5-6.5 WRレンズキットで撮影を始めてからやと思った通りの色が出ました。いわゆる「撮って出し」の一枚です。微調整が効くので、撮影はマニュアルで、測光モードは「スポット」に設定しています。色温度もケルビンで設定し、縦軸と横軸がある色のグラフのようなところで、微調整するのですが、なかなか今までのようにはいきませんでした。どうやら色温度の設定の座標軸の見方を逆に見ていたようです。太陽がちょうど山際に差し掛かる時に撮影をはじめたのですが、どうもオレンジだなともう一度挑戦しようと設定を見返して気づきました。太陽が沈み、空が「ぽっ」と色づくその瞬間を捉えました。センサーが大きい分、色のグラデーションも滑らかに出ますね。メカ的な話ができればいいのですが、私はどうも感覚的なところで捉えているようです。 ポートフォリオは こちら からどうぞ

英語と日本語の音節の話

 音節(syllable)というのは、「音の節」と書くように、言葉を音にした時の節目だと思っている。音節の数は、日本語でも英語でも、実際に発音した時の言葉に含まれる母音(あ・い・う・え・お/a, i, u, e, o)を数えると何音節かわかる。「ミルクティー」を例にすると、日本語では5音節となるがこれが英語では、2音節となる。  日本語も英語も上手に切り替えて話す人もいると思うが、母語または一番多く使用する言語に傾くのが自然だと思う。私の場合は、母語の日本語が軸にはあるけれど、環境とコミュニケーションをとる対象の雰囲気で切り替わっているのかもしれないなと今回の体験でそう思った。ということで、日本のスタバにて注文をした時のことを共有してみることにする。  読書をしに久々にスタバへ。自宅を愛する者としては稀だが、今日はいつもと違う場所でいつもと同じことをしたくなってしまった。ということで、散歩がてら歩いて向かうことに。通り道から畑や生垣の花々の様子を観察しつつ、すれ違う人と挨拶を交わす。茶梅や椿は満開、紅白の梅もふっくら咲きこぼれていた。この陽気な日に、私はニットのセーターを着た上にダウンジャケットを着てきてしまった。歩けば身体は温まるということを計算に入れるのを忘れ、着く頃にはしっかり汗ばんでいた。隣の本屋さんの気になる棚を一巡。そして、スタバに到着。  スタバの豊富なメニューから目当てのものを見つけるのは至難の業なので、いつも店員さんに訊いてしまう。この日は密かにミントティーとかカモミールといったハーブティーにしようと思っていたので、「ハーブティー」はありますか?と尋ねると、ハーブティーはないけれと、お茶ならこれだけありますと、メニューからお茶の欄を探してくださった。「あ、カモミールある〜」と思ったけれど、「ティーラテはこちらからお選びいただけます」と聞こえた途端、やっぱりミルクティーを頼んでしまった。アールグレイにしようと思ったけれど、アッサムティーがいいなと探したら、「イングリッシュ・ブレックファスト」とティーラテにはピッタリだと思えるような紅茶を見つけた。  英語なら"English Breakfast (Eng-lish break-fast)"と、4音節のこの言葉は日本語だと13か14音節くらいになるだろうか?長いなぁと思いつつ、日本語...

Dusky Sky

Dusky sky, Feb. 2025, Hiroshima, Japan 2025年2月、広島、夕暮れの空。  

一人旅縁 - 尾道水道と猫の町並み - 広島県尾道市

     Scenic view of Onomichi Channel and cats in the cultural town before cherry blossom season, March 2018, Onomichi City, Hiroshima Prefecture, Japan.   広島県尾道市にある尾道水道と猫のいる文化的な町の風景。桜開花前の2018年3月に撮影。 Photos © 2018 Yuko Yamada, All Rights Reserved.   

一人旅縁 - バリーン湖 - オーストラリア クイーンズランド州

  A couple of ducks swimming by the green colored boat in the lake in daylight, 2013, Lake Barrine, QLD, Australia.  Passage at the back of Lake Barrine Teahouse in daylight on a cloudy day in winter, 2013, Lake Barrine, QLD, Australia.  

一人旅縁 - ウィルソンズ・プロモントリー国立公園 - オーストラリア ビクトリア州

移動中の車から 自然の造形 A group of rocks along Tidal River on a cloudy day, 2012, Wilsons Promontory National Park, VIC, Australia.  ©2012 Yuko Yamada, All Rights Reserved.  

価格帯の改正 - オンデマンドプリントショップ

  オンラインで販売しているプリントグッズの価格帯の改正を行いました。これまでの価格帯からグッと下げ、平均価格での提供としました。以前と比べると、「手に入りやすい」価格帯になったと思います。最低賃金も1000円台になり、個人事業主・フリーランスとして働く人も増えてきて、誰でもアートを楽しめる時代になりました。そもそもどうして高い高いと言われてしまう価格帯にしていたかというと、買う買わないはあまり関係なくて、それこそウィンドーショッピングを楽しむように、見ていただけたら嬉しいと思ったからです。オンラインショッピングという体験を十二分に楽しんでいただけるよう、これからも精進いたします。 adamayokuyオンラインショップは こちら

一人旅縁 - 風が吹く

  2012 Painterly Photography Series  Abstract work of the wind. A person under the green tree blowing in the wind in daylight. This image was photographed in Abbotsford, VIC, Australia. Variable ND filter was used to achieve painterly feel and texture and color was adjusted in the post production.   風の抽象作品。日中、風に吹かれ、緑の木のもとにいる人。オーストラリア ビクトリア州 アボッツフォードで撮影。絵画的な印象とテクスチャを生み出すため、可変NDフィルターを使用し、ポストプロダクションにおいて色を調整してあります。 ©Yuko Yamada, All Rights Reserved. 追記 2025年5月8日、他2点と合わせ数量限定の額装作品を オンラインアートギャラリー Artgene ( アートジーン ) に出品いたしました。ぜひご覧ください! 作品タイトル: The Wind and Leaves エディション:1 印刷使用:ジークレー印刷 出力用紙:ハーネミューレ バライタ フレーム:アルミ ブラック サイズや価格の詳細は アートジーンをご覧ください。 作品リンクは こちら

一人旅縁 - ベンディゴ - オーストラリア ビクトリア州

ペンキ屋さんの駐車場の壁 電車の駅からアートミュージアムへ向かう途中の中央交差点 ホテル・シャムロックの外観 1854年設立  オフシーズンの午後で特に静かでした。  メルボルン中心部、サザンクロス駅からV/Lineで2時間半のところにあるベンディゴまでの日帰り旅行にて2012年12月に撮影した数枚をご紹介いたします。オーストラリアの写真家ビル・ヘンソン(Bill Henson)氏の作品展がちょうどベンディゴ・アート・ギャラリー(Bendigo Art Gallery)で観れるということで向かったわけですが、アートギャラリーに向かう坂道も帰る前に通った通りもお店はほとんど閉まっていてとても静かな街だったという印象が残っています。いや、閉まっているわけでもなかったのかもしれませんが、夏だったからなのか、メルボルンの人の多い街並みばかり見ていたからなのか、お客さんとみられる人をあまり見かけなかったように思います。車通りが少ないというわけでもなく、通行量も停車している車も多かったので、休日でお休みだっただけなのかもしれません。  アートギャラリーでは、私ひとりポツンとゆっくり観覧することができました。授業でオーストラリアの写真家の紹介があった中のお一人で、夕景や風景写真、ポートレイトなどいくつか写真をスライドで拝見し、確かギャラリー巡りの時にも風景写真は拝見しましたが、ポートレイトも実際に現物を見てみたいと思い足を運んでみると、やはりなんとも言えない雰囲気を醸しておりました。大きな画角の中に収まっている椅子にうなだれるように座る女性の肌の質感の艶めかしさが奇妙なくらいに絶妙で、近づいてみてみると、絵画とはまた違った印象で受け取るような粒子一つひとつが見えてきて、遠ざかってみると、それらが全体を成しているのがまた不思議でした。大人向けの作品かなと思います。制作のアプローチに関しては、レクチャラーによりますと、感度の低いフィルムで光量の低い場面を撮影すると粒子が荒くなりますが、その効果を活用しているのでは......?とのことでしたが、実際のところはよくわかりません。写真を撮影した後の印刷の工程にも奥深い世界があるのだろうなぁと想像しながら、とてもいい時間を過ごすことができました。天井が高く、ガラス越しに中庭を眺めながらぐるりと歩いた後、窓際の机の上に20cm四方くら...