在来線で東京-名古屋-広島からの帰り、奈良に寄り道。朝の奈良公園を散策していたら、ラッパの音が聞こえ、それまで人間観察をしながら地面でのんびりしていた鹿たちが一斉に立ち上がり、駆け出しました。車道にかかるとスピードを落として歩いて横断歩道を渡るという落ち着きも見せつつ、一目散にラッパが鳴る方へ。他の観光客の方たちに倣って鹿の後に続き、私も「鹿寄せ」に寄せられました。鹿たちが目指す先には、仕事着姿の方が腰にホルンを携え竹籠からどんぐりを繰り出しておりました。人間と野生の鹿が共生する一つの知恵なのかなと思います。どんぐりが一つのところに撒かれると、鹿も集まる。奪い合うこともなく、輪になって、ギュウギュウになりながらも、交互に頭をもたげ、安全確認と(どんぐりの)残量確認をしつつ、もぐもぐと一心におやつタイムを味わっているようでした。
- 旅の思い出