街灯というと、横浜にある関内というところには、日本で最初にガス灯が灯されたという場所がある。JR関内駅から赤レンガ倉庫方面に馬車道を歩いて入舟通りに差し掛かるところにある関内ホールの一角にそれを記念する碑が建っている。ガス灯の灯りはどのように映っただろうか。当初は今よりも真っ暗な夜道を照らすあたたかい光だったのだろうと思う。今はLEDの照明が普及して、蛍光灯の光がより白くなった。視界はよくなるが、ガス灯や白熱電球のようなオレンジ色の光は、ほっと心を落ち着かせてくれるように思う。
さて、こちらは、愛知県の名古屋駅前の街灯。電球が緑色とオレンジ色の球体で覆われていて、それを支えるパイプは三つに分かれている。駅前の数個だけかなと思ったら、この通りは全部このデザインの街灯だった。緑とオレンジ、東海道本線の列車にも緑とオレンジ色の線が入っていた。なぜこの色なのか。三河が江戸を支え続けてきたという歴史のあらわれだろうか。デザイン一つで歴史を語れるなんて、なんて奥深いんだろうと、見上げた空には月が浮かんでいた。兎にも角にも、想像力をくすぐられた光景だった。